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気管支喘息

2008年07月15日

喘息とは

 喘息というのは、気管支の炎症により空気の通り道が狭くなって、空気の
出入りが悪くなるために、呼吸しにくくなり息苦しくなる状態のことを指します。

 主に、アレルギーが原因で起こりますが、乳幼児では感染をきっかけに
喘息のような状態になることもあります。この状態を喘息性気管支炎といいます。
 喘息性気管支炎=気管支喘息ではありませんが、感染症のたびに
喘息性気管支炎になるようなお子さんは、本当の意味での喘息に発展していく
ことが多いようです。また、もともとアトピー性皮膚炎のある患者さんや
両親にアレルギーのあるお子さんは、喘息に発展する確率が高いようです。

 アレルギーの原因物質は、多くが吸入抗原の中のハウスダスト、ダニに
よるものですが、カビ類や動物のフケなども吸入抗原になり得ます。

 また喘息性気管支炎を起こしやすい病原体の代表は、RSウイルスで
ライノウイルスという病原体も喘息性気管支炎を起こしやすいといわれています。

喘息の発作型

喘息の発作型には以下のような5段階の分類があります。

*1*間欠型
年に数回、季節性に咳、軽いゼーゼーがある
ときに息苦しい状態になることがあるが、気管支拡張剤の服用あるいは貼付で改善し
長引かない

*2*軽症持続型
咳や軽いゼーゼーが1ヶ月に1回以上、1週間に1回未満
ときに息苦しい状態になるが、長引かず日常生活に支障はなし

*3*中等症持続型
咳や軽いゼーゼーが1週間に1回以上
ときに吸入や喘息の点滴の治療が必要となり、日常生活に支障を
きたすことがある

*4*重症持続型1
咳や軽いゼーゼーが毎日ある
週に1-2回、吸入や喘息の点滴の治療が必要となり、日常生活や睡眠に支障を
きたすことがある

*5*重症持続型2
*4*の状況で治療を行っていても症状が持続する
しばしば、入院での喘息治療が必要となるため、入退院の繰り返しにより、
日常生活に制限がある

喘息の治療

どの年代においても間欠型のこどもについては、その時々の発作に応じた
薬物療法で大丈夫でしょう。

軽症持続型の患者さんに関しては、近年は早期の持続的な喘息治療の
介入が推奨されています。
 喘息は最初の項目でも述べたとおり、気管支の炎症を起こしている状態です。
軽症持続型の患者さんだと、一旦、気管支拡張剤やアレルギー薬、場合によっては
喘息薬で喘息の状態そのものは治まっても、またすぐに次の喘息が起こり、気管支の
炎症が完全に収まる期間を得ることが難しくなります。
 健常な気管支粘膜の色をピンクとすると、喘息を起こして炎症をおこしている
気管支粘膜は赤です。喘息が起これば、それに対する治療をしますから赤い粘膜は
ピンクになっていきますが、ピンクになってる途中でまた赤になる。ピンクに成りきらずに
また赤くなると次にピンクに戻るのには、前以上の治療期間が必要になるし、
ピンクに戻りにくくなるのです。
 そういった理由で、軽症でも持続型の患者さんに対しては、早期に喘息治療を
施し、気管支粘膜がピンクでいる期間を出来るだけ長く作るのが、将来ひどい喘息に
なるのを防ぐ方法であるということが言われるようになってきました。

 主な治療方法は、抗ロイコトリエン薬といわれる薬で、気管支粘膜が炎症を起こす際には
気管支粘膜からロイコトリエンという物質が分泌され、この物質は気管支の炎症をさらに
増悪されるといわれています。ですから、このロイコトリエンという物質が気管支粘膜から
出ないようにするために、抗ロイコトリエン薬が使用されます。この薬が市販されてから
喘息の重症化は、明らかに減少していると思われます。

 もうひとつ、非常に有効な治療法がステロイドの吸入療法です。ステロイドには
強力な抗炎症作用があります。この力を使って、気管支の炎症を抑えてしまおうと
いうものです。ステロイドと聞くと、副作用の強い何か怖い薬のような気もするかも
しれませんが、長期に内服薬などで全身性に投与するのとは、まったく異なり、
ステロイドの吸入療法は効いて欲しい場所(気管支)だけに、吸入により作用するので
安全性は高く、非常に有効な治療法といえます。

 この両者を組み合わせることにより、主に乳幼児の喘息は、非常にコントロール
しやすくなりました。ケロちゃんでもこの治療法を導入し、それまで月に何回も
咳で受診しなくてはいけなかった患者さんが、咳も全然出なくなり、お薬をもらいに
来るだけの診察で済むようになっています。

 乳幼児の喘息、あるいは繰り返す喘息性気管支炎は、その重症度を見極め
適切な治療をしてあげることで、本人も保護者も生活の質が変わります。