上手な受診の仕方
ここでは、私が考える上手な受診の仕方をお話しますね。
私たち医師はどのように患者さんを診断しているかということに関してからお話しましょう。最初に患者さんが来院されるとお話を聞きます。いつから、どのようなことが、どのくらいの程度で起こっているのか、どういうことがその患者さんの体の不都合なのか、というようなことについてお話を聞きます。(これを専門用語でアナムネといいます)その後、患者さんの診察をさせていただき、その上で必要であれば、適宜検査の計画をたてて検査することになります。すなわちアナムネ→診察→検査を総合して患者さんを診断していくわけです。
そのうちの何が最も大切な情報かというと、アナムネなのです。アナムネで大体診断の5割以上を推測します。(昔の先生はアナムネ8割といいます)ですから、患者さんが病院に訪れてお話を聞くところまでで、その診断の5~8割がついているということになります。そのくらいこのアナムネというのは重要です。そしてそれをお話になるのは患者さんご自身です。もちろんお話を聞く側の上手、下手という問題はありますが、このくらい大切なことなので、患者さんの上手な病院へのかかり方としては、ご自分やお子さんの症状の程度と、それまでの経過に関して詳しく説明できる準備をしておくことが重要です。これが上手はかかり方の最も重要なポイントです。
これは風邪のような小さな病気であっても癌のような重大な病気であっても同じことです。大体のお話をしてくだされば、今度は医師のほうから、医師が「もっとこのことに関して詳しく知りたい」などという点に関して質問をされるでしょう。その質問にもできる範囲で詳しく思い出してお答えになってください。こうして患者さんと医師のコラボレーションでアナムネが作られます。
他には、次の受診はどのようなとき、どのようなタイミングで受診したらいいのかを確認しておくことも重要でしょう。通常、経過を診る必要があれば医師からその指示はされると思いますが、なお確認しておきましょう。
最後に、医療を行う上で最も重要なことは医師と患者さんの信頼関係です。病気は医師が一方的に診断し、お薬を出し治すのではなく、患者さんもご自分の病気や体の状態、治療に関してよく理解されていなければなりません。すなわち患者さんも治療にそういった形で参加していることになるし、それ以上に患者さん自身の治ろうとする気持ちが重要です。
お互いに協力、理解し合え、信頼関係を築くことのできるご自分のお医者さんを見つけることが究極の上手な病院のかかりかたと言えるでしょう。

