「てんかん」はどんな病気?
皆さんは「てんかん」ってどんな病気だと思われているでしょう?世間で知られている「てんかん」のイメージは、日常生活の場で何の前触れもなくいきなり倒れてけいれんする恐ろしい病気で、「治らない」というような認識であることが多いようです。
ですが、そのような日常生活での発作が抑制し得ない患者さんというのは、そのてんかん自体が難治な場合だけで、てんかんにおける難治性てんかんの割合は2割程度といわれています。それにも関わらず、日常生活で実際に一般の人に目撃されるてんかん患者というのは、結局そういった難治性のてんかんである場合が多いので、てんかんを「恐ろしい病気」だというふうに捉えてしまうようです。
通常のてんかんは、圧倒的に良性のものが多く、発作の回数も人によりますが、ごく少数のことが多いので、かえってそういう良性のてんかんのことは世間に知らせないままになり、世間の認識を変えることができないのです。
てんかんとは脳細胞が異常に興奮して、けいれんを起こす病態のことを言います。通常、基本的に脳細胞はある程度規則正しい活動をしています。この活動は電位や電流に換算することができ、これを観察するのが脳波です。心電図というのがありますよね。あれは心臓のそういった働きをみているものです。
ただし、心電図とは違って脳波はその電流のとても微弱なことと、複雑なことが特徴です。それはともかく。脳波をとるとそういった規則正しい「波」からはずれている「異常に興奮している波」を捕まえることができます。
これといったきっかけもないのにけいれんを起こし、脳波でこういった波を捕まえることができたならその子どもの病態を「てんかん」と呼びます。ただ、ひと口にけいれんと言っても、その中身はとても複雑で、熱性けいれんで起こるような大きなけいれんから、外から診てもほとんどわからないようなけいれんまでさまざまです。
倒れたりすることはなくても呼びかけに応じずぼーっとしている、その場にそぐわない行動をする、顔色が悪くなり意識がはっきりしない状況になる、などなど症状をあげていけはきりがありません。
「てんかん」は非常に頻度の多い病気で、200人に1人の割合で発症します。そしてその8割程度は薬でコントロールし、治すことができるてんかんです。日本では、てんかんという病気に対する偏見が非常に強く、てんかんであると診断されると悲観的になることが多いようですが、最初に述べたように、てんかんは非常に幅の広い病気であり、適切な診断治療によりほとんど治癒可能な病気であることを知っておいてください。

