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アレルギー

2007年01月09日

気管支喘息とアレルギー

 気管支喘息についてですが、基本的に気管支喘息はアレルギーで起こる病気です。

 ごく一般的な意味でアレルギーというのは、「1型アレルギー」を指します。いきなり「1型アレルギー」って言われても「何それ?」って感じですよね。

 予防接種(インフルエンザ)のところで、わざとウイルスを入れて自分の体に「抗体」っていうのを作らせる話、ありましたね。(※予防接種のメカニズム参照)例えばあれは「4型アレルギー」反応を利用した理論なのです。

 それで「1型アレルギーっていうのはどういうことか?」っていうと、元々その人がその物質(その物質というのは人によって、食べ物の場合もあるし、花粉やほこり、ダニなどあらゆるものの可能性がありますが)に対してアレルギーを持つ可能性のある人ということです。つまり、わざわざ何か今まで経験したことのないものを体の中に入れて、そいつの記憶を体に覚えさせて免疫反応を起こす(これが4型アレルギー)ということではなく、ある意味生まれつき「あーこいつ(こいつっていうのはほこりとかダニや食べ物などのいろんな物質のこと)嫌やな」みたいな記憶が体に備わっている体質(すごくおおざっぱな言い方ですが)ということなのです。

 だから、「あなたのお子さんは気管支喘息で、ダニ、ほこりにすごい反応が出ています。家をきれいにしてください」とか言われると、なんか「家が汚い」と言われているみたいでちょっと落ち込んでしまうことがあるようですが、それは違うのです。

 例えば、私はそういった1型アレルギーのない体質(家族も)なので、うちはどんなに汚くても私にも家族にもアレルギーは起こりません。ダニが1000匹いてもなんともない体質なのです。ですが、ダニに対するアレルギーのある子どもは、ダニが1匹いてもアレルギーを起こすっていうことです。どこの家出も1匹や2匹のダニはいるでしょう?ほこりだってありますよね。

 そういうことに対する感受性の問題で、その感受性というのは持って生まれたもので、「掃除ができていないからそういうことになった」とかいうこととは関係ないのです。

 ま、もちろんそういう感受性が強いということが診断された場合には、極力その感受性を刺激する物質はそのお宅から除去する努力は必要になります。それはあきらめて努力してください。

病気的な側面

 気管支喘息の病気的な側面についてお話しましょう。
 気管支喘息というのは、息は吸えるけど吐くことが難しくなる病気です。人間の呼吸は息を「吸う」ことと「吐く」ことから構成されています。当たり前にしていることですが、だからこそ、その当たり前のことができなくなってとても息苦しくなる病気です。

 気管支喘息は気管支が細くなって息が吐けなくなります。さあ、それでは思いっきり息を吸ってみましょう。そして全部吐かずに3分の1くらい吐いてみましょう。またその状態で思いっきり息を吸ってみましょう。そして3分の1だけ吐いて、これを繰り返してみましょう。段々息苦しくなって息をすること自体難しくなってきます。

 肩で大きく息をしたり、おかなを思いっきり膨らませたりしないと息ができなくなってきます。これが喘息のときの呼吸状態です。実際に、喘息の子どもは発作時には気管支が狭くなって息を吐きにくくなっているので、その狭い気管支から空気を出すために長い時間かけて息を吐きます。

 また、呼吸自体しにくい状態になっているので、呼吸に携わる筋肉全部を使うために、肩で息をしたりおなかで息をしたりします。また、喘息のときの息を吐くときのヒューヒューいう音は、この狭くなった気管支を吐く息が通っている音です。

 喘息の発作が起こっているときは、気管支が狭くなっている状態を改善してあげる必要があります。軽い場合には飲み薬で気管支が徐々に広がって来ますが、横になると息苦しいとか、肩からおなかの筋肉全体を使って呼吸しているような発作の場合には、お薬を吸って直接気管支を広げてあげないと治まりません。

 また、直接お薬を吸っただけでは治らない場合もあって、その時には点滴で喘息のお薬を体の中に入れてあげます。発作時のお薬には気管支を開くβ刺激剤(内服、吸入)、テオフィリン製剤(内服、点滴)があります。また、重症の発作の場合にはステロイドという薬を点滴や内服、吸入する場合もあります。

 喘息の発作の頻度が多い子どもの場合には、発作がないときにも先に述べたようなβ刺激剤、テオフィリン製剤を持続的に内服させる場合もあります。

 この持続的な治療にはこれらの他に抗アレルギー剤と呼ばれるアレルギーそのものを改善させる薬を併用することが多く行われます。最近、喘息は気管支内で炎症を起こす物質が異常に増加することによって起こることが解明され、その炎症物質を抑える非常に効果的な抗アレルギー剤も小児に対して使用できるようになりました。いずれにしろ適切な治療、生活環境の整備が必要です。主治医とよく相談して気長に治療していきましょう。

「喘息気味ですね」

 「喘息気味ですね」とか「喘息性気管支炎ですね」と言われたことのある人に関しての話をしましょう。

 よく乳児や小さいお子さんの場合、風邪をひいた際に「喘息性気管支炎」ですね、と言われることがあります。これは喘息とは異なるものです。風邪から気管支炎や肺炎になることがありますが、その子は風邪から気管支炎になっているけど、その気管支炎のタイプが喘息タイプということです。

 喘息タイプというのは先に喘息のメカニズムのところで説明したようなことが起こっているということです。だから、喘息タイプの気管支炎になっているということは、喘息のお薬がその症状改善に役立つという診断治療的な分類です。ただ、風邪のたびに喘息性気管支炎になることを繰り返しその頻度が多い、ごく少数の子どもは、そういった症状が喘息の前駆症状であって将来的に喘息になっていくことがあります。

花粉症について

 花粉症について、ちょっと触れておきましょう。

 一般的にはアレルギーというのは幼少時、アトピー性皮膚炎ではじまり、喘息を経て年長になると「花粉症」を発症すると言われています。そのメカニズムは同じで、ただ花粉症はそのアレルギー反応が鼻や眼の粘膜上で起こると言うことです。

 最近では小さいときなんのアレルギーも無かったし、同じところに居住していたにも関わらず、年長になりいきなり、「花粉症」でアレルギーを発症するような人も増加しています。「花粉症」の場合はその人それぞれによって悪くなる時期が大体決まっているので(多くの場合2~3月、それに加えてさらに秋頃に調子が悪くなる人もいますが)、その自分が悪くなる時期の1か月前(通常の花粉症なら1月くらいから)から抗アレルギー剤の内服を開始すると症状の阻止に大変有効です。これをするのとしないのでは、症状の発現に大差があるので是非お勧めします。